症状一覧

2016年04月01日症状一覧

日本脳炎ワクチンは生後6か月から!

皆さんは日本脳炎という病気を知っていますか?
予防接種の名前で知っている、という方は多いと思いますが、実際の病気についてご存知の方はあまり多くないと思います。
日本脳炎は、蚊に刺されて感染する病気です。感染しているブタを蚊がさして、その蚊に人が刺されて感染します。
世界では毎年3万人~4万人の発症があるそうですが、日本ではワクチンの普及や生活環境の改善などにより、年間10人程度の発症です。
しかし、日本には、依然として日本脳炎のウイルスがいます。豚の血液を検査すると日本脳炎に感染したブタがたくさんみつかります。
千葉県のブタも感染しています。つまり、感染してしまう機会はあるということです。

日本脳炎に感染しても、多くの人は症状がほとんどなかったり、カゼ程度の症状で終わり、重い症状がでるのは100~1000人に1人といわれています。
しかし、いったん脳脊髄炎がおこると、死亡率は20~40%で、回復しても半数程度の人は重度の後遺症が残ります。
特に、子どもの後遺症は重いといわれています。症状(発熱、頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害など)があらわれたときには、日本脳炎のウイルスはすでに脳細胞に達して脳細胞の破壊を始めており、たとえ治療が進歩しても、脳細胞の修復は困難だろうと考えられます(国立感染症研究所HPより)

最近の小児の日本脳炎罹患状況をみると、熊本県で2006年に3歳児、2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳児・福岡県で10歳児、兵庫県で2013年に5歳児の報告があります。
2015年、千葉県において、大変残念ながら、生後11か月児の日本脳炎症例が報告されました。1人の患者さんが発症したということは、その周囲には1000人近い患者さん候補がいるということになります。積極的にワクチンを接種し、感染を予防することが必要です。

従来、日本脳炎ワクチンは、3才から接種可能と思われている方が多いと思います。
しかし、実際には、生後6か月から接種することができます。ワクチンの量は3才以上は0.5ml、6か月以上3才未満は0.25mlです。3才未満の接種量は少ないですが、抗体はしっかり上がるという結果が確認されています。

日本小児科学会では、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児最近日本脳炎患者が発生した地域ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することを推奨しています。
千葉県では、ブタの抗体保有率が高く、さらに日本脳炎患者が発生していますので、生後6か月からの接種を受けるべき地域です。
生後6か月だと、他のワクチンとの同時接種で受けていけることが多いと思います。
蚊が活動する夏にむけ、積極的に日本脳炎ワクチンをうけていきましょう!