症状一覧

2016年03月01日症状一覧

大人のみなさんへ 麻疹風疹のワクチンを

また、風疹の話で恐縮です。
大人の皆さまに、麻疹風疹のワクチンを受けていただく必要性を改めてお話したいと思います。
平成25年~26年に風疹が大流行したのは、皆さまも覚えていらっしゃることと思います。
その後、患者さんの数は減り、あまり話題に上らなくなってしまいましたね。
はたして、このままでよいのでしょうか。

風疹は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス感染症です。脳炎や血小板減少症などを併発することもありますが、麻疹に比べて軽症に経過することが多いです。発疹が典型的でないことも多く、診断はしにくい病気です。
しかし、風疹は、妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんに高率に病気をおこします。
詳しくは以前の記事をご覧ください。
・「風疹
・「風疹大流行
平成25年~の流行で、先天性風疹症候群の赤ちゃんは全国で41例の報告がありました。 亡くなってしまった赤ちゃんもいます。千葉県内でも2人の報告がありました。

先天性風疹症候群になってしまった赤ちゃんのお母さんの中には、風疹ワクチンを受けていた方もいました。たとえワクチンを受けていても、抗体が十分でないと風疹が感染し、胎児にも感染が起こってしまうのです。

先天性風疹症候群の発生を防ぐには、以下の2つが大切です。

① 風疹を流行させない

風疹を流行させないためには、すべての人たちが風疹の抗体を持つことが大切です。下記の図をみていただくとわかるように、20代後半~50代前半の男性は抗体が低いです。この年代の男子はワクチン接種の機会が不十分でした。
子育て世代はもちろんのこと、子育て世代を過ぎた方たちが罹患しても、職場や地域で拡がって妊婦さんに感染の機会を作ってしまいます。
是非、皆さんに関心を持っていただき、ワクチンを受けていただきたいと思います。



② 女性は、妊娠前に風疹の抗体を高めておく

妊娠前に風疹の抗体をもっておくことも大切です。
妊娠してからワクチンは受けられません。
ワクチンを受けていないか、1回しか受けていない方は、大学を卒業するとき、結婚するときなどの節目に、ワクチンを受けることをお勧めします。
また、妊娠すると産婦人科で風疹の抗体を検査することが多いです。抗体が低かった場合には、赤ちゃんが生まれたらすぐにワクチンを受けましょう。抗体の値がいくつあったら安全かという指標は難しいですが、風疹HI抗体価が32倍未満だった方は受けた方がよいと考えています。

風疹はワクチンを受ければ防げる病気です。予防可能な病気により、これから育っていく子どもたちの命がおびやかされることは、何としても阻止しなければなりません。 風疹の流行を防ぐためには、大人の皆さまがワクチンを受けてくださることが必要です。 2020年の東京オリンピックのときに風疹が流行しているなどという、不名誉なことにならないためにも、ご理解とご協力をお願いいたします。