症状一覧

2014年12月01日症状一覧

こどもの便秘

こどもの便秘ってめずらしいですか?

 こどもの便秘はめずらしいことではありません。10人に1人くらいか、それ以上と考えられています。離乳の開始や終了のころ、トイレットトレーニングのころ、学校へ通いだしたころに慢性便秘症が始まりやすいといわれています。

便秘症とは・・・
 便秘とは、便の回数が少ないか、出にくいことです。週に3回より少なかったり、5日以上出ない日が続けば便秘と考えます。毎日出ていても、出すときに痛がって泣いたり、 肛門が切れて血が出るような場合も便秘です。
 腸に便が溜まりすぎると、少量の便が頻繁に漏れ出るようになります。ですから、小さいコロコロの便や、軟らかい便が少しずつ、1日に何回も出ている場合も便秘の疑いがあります。
 便秘のために、治療が必要な状態を「便秘症」といいます。
 便秘症が1~2ヶ月以上続いた場合には、「慢性便秘症」といます。

 

便秘症を、ほうっておいてはいけません!
 便が腸内にとどまっていると、水分が吸収されて段々と硬くなります。硬い便を出す時には肛門がひどく痛みますから,お子さんは排便を我慢したり、肛門をしめながら息んだりするようになります。すると、ますます便が長くとどまって、悪循環となります。そのような状態が長く続いていると腸が便の溜りに慣れてしまって、とても治りにくくなります。
 ですから、便秘症と診断されたら、すぐに治療を始めましょう。お子さんが快適に排便できる状態を続けていると、多くの場合、次第に便秘症がよくなってきます。

便秘症の治療では、便を硬すぎないように保ち、いつも直腸を空にしておくことが大切です。治療の中心は、正しい生活・排便習慣、食事の注意、便を軟らかくする薬の3つです。

生活習慣を見直しましょう

 便がとどまっていることに腸が慣れてしまうと、便意(便をしたいと感じること)がなくなってしまいます。ですから、いつも直腸(腸の一番肛門に近い部分)を空にしておくことが必要です。

  1. トイレに行きたくなったら、我慢せずにすぐ行くようにしましょう。
  2. ゆとりのある時間に、トイレにすわる習慣をつけましょう。
  3. トイレットトレーニングは便秘症が原因になっているかもしれません。便秘症が治ってから、無理なく始めましょう。

 規則正しい生活をおくることも大切です。早寝早起きを心がけ、朝食をゆっくりとれるような生活にしましょう。朝食後に大腸の運動は一番活発になります。


食事にも注意しましょう

 便の量が少ないと、腸に長くとどまることになるため、水分が吸収されて便が硬くなります。甘い飲み物やお菓子のように、カロリーが高いわりにあまり便にならないものは、ひかえた方がよいでしょう。
 食物繊維は、腸で吸収されず水分を含んで便の量を増やし、硬くなることを防いでくれます。野菜、海藻、果物、芋類、豆類などに多く含まれていますので、毎日とるようにしていきましょう。


薬は正しく飲みましょう

 薬は、便を軟らかく保ち、腸の動きを活発にするためのものですが、便がつまってから飲むよりも、溜まらないように毎日飲むほうが効果的です。浣腸や薬はクセになるものではありません。きちんと治療して「便秘でない状態」を続けていけば、浣腸は不要になり、薬も減らしていけることが多いです。
 でも、薬の減量や中断が早すぎると、しばらくして元に戻ってしまうことが少なくありません。薬の減量の仕方や中止のタイミングについては、主治医と相談しながら決めていきましょう。

 治療が順調な場合には、1~2ヶ月以内に「便秘ではない」状態となります。なかなか軌道にのらない場合には、なにか特別な原因があるかもしれません。主治医の先生と相談して、専門家への受診を考えてもよいかもしれません。


 こどもの便秘について、くわしいお話が日本小児栄養消化器肝臓学会のホームページに載っています。排便日誌もダウンロードできます。
  http://www.jspghan.org/index_flame.html
 排便日誌をつけて、お子さんの排便状態を正確に知ることは大切です。病院を受診する際にも日誌を持っていくと、お子さんの状態が医師に伝わりやすくてよいですね。