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妊婦さん必読! 先天感染症①トキソプラズマ
<TORCH症候群とは>
妊娠中にお母さんが感染して、胎児に影響が出る病気を先天感染症といいます。
TORCH症候群といい、T:トキソプラズマ O:その他(梅毒 B型肝炎 など) R:風疹 C:サイトメガロウイルスH:ヘルペスウイルス などの病原体の感染でおこります。
妊娠中にこのことを知っていれば、感染を予防できるかもしれない病気です。大切な命を守るために、妊婦さんや妊娠する可能性のある若い人たちにはぜひ知っておいてほしいです。
<トキソプラズマ>
トキソプラズマは哺乳類に寄生する寄生虫です。世界の人口の1/3の人が感染していると言われています。
ネコの糞の中や食肉の中に感染力のある虫体があり、それが人の口からはいって感染します。
健康な人に感染した場合には特に症状は出ませんが、HIVなど免疫不全の状態で感染すると、脳炎などに発展します。また、妊婦さんが感染すると、胎盤を通してトキソプラズマがおなかの赤ちゃんに感染することがあります。
妊婦さんに感染した場合、おなかの赤ちゃんに先天性トキソプラズマ症が発症する場合があります。
先天性トキソプラズマ症では、水頭症、視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害が4大徴候として知られています。生まれたときに症状がなかった場合でも、眼病変などが思春期頃になって発症することがあります。
感染経路は主として2つ。
- 食肉をとおした感染
豚肉、鶏肉、牛肉などの肉の中に感染力のある虫体が含まれています。生ハム、なども要注意です。 - 猫の糞からの感染
猫の糞の中にも感染力のある虫体が排出されます。オーシストといわれる虫体は-20ºCで1ヶ月程度生存可能であることがわかっています。
次亜塩素酸やエタノールを含む多くの消毒剤が無効です。土や砂、無処理の生水なども、ネコの糞に汚染されているかもしれないので要注意です。
妊婦さんへの注意!
- 肉はよく火を通す
いわゆる生肉だけでなく、生ハム、生サラミ、ローストビーフ、肉のパテ、レアステーキなどは虫体が含まれている可能性があります。 - ネコを飼っている場合
- 糞の始末は妊婦さん以外の家族がするようにしましょう。どうしても妊婦さんがしなければならない場合には、マスクと手袋、ゴーグルをして行います。
- 新たにネコを飼い始めるのはやめましょう。飼い始めたばかりのネコ・外出するネコ・野良ネコは糞の中に虫体がいる可能性が高いため要注意です。
- 糞の始末は24時間以内に。糞の中の虫体は未熟で、感染力をもつまでに24時間程度かかるため、速やかに糞の処理をすることが大切です。
- ネコに生肉をエサとしてやるのはやめましょう。新たにネコにトキソプラズマが感染する場合があります。
抗体検査について
妊娠前から抗体を持っている場合、感染する心配はほぼありません。
妊娠した後に抗体陽性が分かった場合、妊娠後に感染したのかどうか、検査をすすめます。抗体は産婦人科病院などで検査が可能です。
抗体が陰性だった場合には上記に注意して感染しないようにしましょう。
万が一、妊娠中に感染した場合
トキソプラズマに効果がある抗生剤をのんで発症を予防・軽症化できる場合があります。
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