症状一覧

2024年05月12日症状一覧

咳が長引いている

どんな病気が考えられる?

かぜによる咳の大半は3週間程度で改善すると言われており、3週間以上咳が続く場合は、その他の病気も考えなくてはなりません。特に、どんどん咳がひどくなっている場合や、少しも改善した時期がなくずっとひどい咳が続いている場合には注意が必要です。

一方で、かぜの咳の1/4程度は3週間以上続くこと、治りきる前に次のかぜを引くと再度咳がひどくなることも知られていますので、3週間以上咳が続くからといって、緊急で受診をしなくてはならないというほどではないと考えられます。

かぜ以外でどのような病気を考えるかは、年齢によって異なります。
新生児期・乳児期(1歳未満)のお子さんの場合は、生まれつきの構造の問題、ミルクなどの誤嚥、胃酸の逆流による咳なども考えられます。怖い病気としては百日咳なども考えられるため、早めの受診がおすすめです。
幼児期(1~5歳)のお子さんでは、鼻水が喉に垂れている、喘息発作、異物を飲んだなどの原因も考えられます。また、4歳以上のお子さんで3週間以上激しい咳が続く場合には、マイコプラズマ肺炎なども考える必要があります。小学校に入る頃になると百日咳の抗体価が低下し、かかりやすくなることが指摘されています。3週間以上激しい咳が続く場合には百日咳なども考える必要があります。
学童期のお子さんの場合、上記に加えて、ストレスなどにより咳が出ている可能性も考える必要があります。

上記の病気がないか、問診と診察で診断いたしますので、ご心配な場合は是非一度受診を検討してください。

検査はしてもらえるの?

当院で行える検査は
胸部レントゲン
マイコプラズマ、百日咳の検査
呼吸機能検査
呼気中NO測定

です。

胸部レントゲン、マイコプラズマ、百日咳は肺炎を疑った場合に実施する検査です。
呼吸機能検査、呼気中NO測定は喘息発作を疑った場合に実施する検査です。検査の実施に本人の協力が必要なため、概ね小学校3年生くらいから検査が可能になります。

適応がない場合に検査をしても結果の解釈が困難になりますので、ご希望による検査は行っておりません。診察の結果医師が必要と判断した場合のみ検査を行います。あらかじめご了承ください。

また、マイコプラズマや百日咳は当日結果がでない検査になります。
詳細は診察の際に詳しく説明いたします。

どんな治療が考えられるの?

長引く咳の原因は多岐にわたり、治療も原因によって異なります。

かぜの反復:

かぜの咳に対して、咳止め、去痰薬として、たくさんの薬が発売されていますが、実は効果が証明されている薬剤は一つもありません。最も強力な咳止めとされているコデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩ですら、成人・小児ともに効果が証明されていません。また、咳止めには副作用も多いため、当院では、副作用の少ないムコダインや漢方薬を中心に処方をしています。
また、夜の咳にはハチミツが効果がある可能性があるため、おすすめです。

気管支喘息発作:

気管支拡張薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイドなどの効果が期待できます。気管支拡張薬には飲み薬、テープ、吸入薬などがありそれぞれメリット、デメリットがあります。詳細は診察の際にお伝えします。

マイコプラズマ、百日咳:

クラリスロマイシン、アジスロマイシンなどの抗菌薬が適応になります。ただし、実は咳が長引いている時点ではすでにあまり菌自体はおらず、自分の免疫反応によって咳がでているため、抗菌薬に咳を鎮める効果はあまりないとも報告されています。

観察のポイントは?
お家でやってあげられることはある?

鼻水が後ろに垂れると咳になってしまうので、なるべくこまめに鼻を吸ってあげましょう。特に夜寝る前に吸ってあげると夜の咳が多少軽減する効果が期待できます。

鼻うがいをすることで、鼻水を減らす効果が期待できます。当院でも鼻うがい用の粉を販売していますので、興味がある方は診察時にお申し付けください。

また、夜寝る部屋を加湿しておくことで、乾燥による粘膜の障害を防ぐことができると考えられます。是非やってあげてください。

ご家庭で煙草を吸っている人がいたら、是非禁煙することをお勧めします。煙草の煙は咳を誘発する効果がきわめて強く、特に病気がなくても咳が長引きます。また、煙草の煙による害はすさまじいものがあり、長期的にお子さんの人生に影響を及ぼします。
もしこれらのことについて興味を持っていただいた方は是非受診時にご相談ください。

病気と予防

病気一覧

  • マイコプラズマ
  • 百日咳
  • 急性肺炎
  • 気管支喘息発作
  • 気管支喘息
  • 胃食道逆流症
  • アレルギー性鼻炎
  • 気道異物