症状一覧

2024年05月12日症状一覧

腹痛

どんな病気が考えられる?

腹痛は非常に多くの原因で起こります。
特に注意が必要な腹痛は、波がない腹痛、歩いたり咳やくしゃみをするとお腹に響く腹痛、突然激痛になった腹痛、程度が強く冷や汗をかくほどの腹痛などです。また、ぐったりしている場合や、血便を伴う場合、呼吸の様子もおかしい場合、お腹がパンパンに張っている場合、緑色の物を吐いている場合には緊急事態のこともあります。思春期のお子さんの場合は、腹痛と言っていても実は陰嚢の痛みのこともあります(恥ずかしがって腹痛と訴えているのです)。このような場合にはすぐに医療機関受診されることをお勧めいたします。当院が開いていない時間であれば夜間応急診療・休日診療所の利用もご検討ください。

一方、多い順で考えると、最も多い原因は便秘症、次いで胃腸炎です。便秘の痛みは時に激痛となることもあり、救急車で運ばれてくる子もいるほどです。便秘と胃腸炎で共通している特徴として、波がある痛みであること、痛みがない時は比較的元気であることなどが挙げられます。

また、排便すると治る痛みが月単位で続いている場合や、毎日一定の時間に軽度から中等度のお腹の痛みを訴え生活に支障がでている場合などには、過敏性腸症候群などの可能性もあります。

診察の際には、上記の危険なサインがでていなかったかお伺いするとともに、お子さんの様子を観察し、お腹を触って、怖い病気ではないか判断します。緊急の症状の場合、大きな病院へ転送することもあります。
過敏性腸症候群の場合には、お子さんのお話しをよく聞くことが大切です。この病気を疑った場合には日を改めさせていただくこともあります。

どんな検査をするの?

腹痛が強い場合は、原因特定のための検査を行います。具体的には、腹部のレントゲン撮影腹部超音波検査などです。ただ、やみくもに撮影しても見逃しが増えるだけですので、まずは診察でどこが痛いのかしっかりと見極めて、必要な場合に上記の検査を行います。

便秘の場合、レントゲンや超音波でたまっている便が観察できることが多く、実際に画像を見せながら説明することができます。一方胃腸炎の場合には、特に画像には特徴が出てこないため、検査をしないこともあります。

先ほどの緊急の症状の場合、痛みの程度や診察の結果によっては検査をするまでもなく、大きな病院への転送が必要と判断することがあります。
また、腹痛以外の症状を伴う場合には、適宜血液検査や尿検査など他の検査を追加することもあります。

どんな治療があるの?

当院で行える治療もしくはお渡しできる薬について説明します。

浣腸:

便秘に対する特効薬です。詳しくは便秘についての説明もご参照ください。

整腸剤(ビオフェルミン、ミヤBMなど):

乳酸菌・酪酸菌を飲むことでいわゆる”善玉菌”を増やし、腸内環境を整えることを狙った薬です。すぐに腹痛をやわらげる効果はありません。

漢方薬:

胃腸炎で腸が動きすぎによる痛みの場合、小建中湯、桂枝加芍薬湯、真武湯などが効果があるとされています。ただ、いずれも即効性があるわけではなく、不快感を和らげる程度の効果です。

お家でできる治療

経口補液療法(oral rehaydration therapy:ORT):

食事量が減っていると、いつの間にか脱水が進みます。脱水になると血流が弱まり、より痛みが強くなることもあります。またぐったりも強くなっていってしまいます。経口補液療法をすることで脱水の進行を遅らせる、もしくは防ぐことができます。やり方の詳細は下痢嘔吐の項目をご覧ください。

お腹を温める:

痛みの自覚症状をやわらげる他、腸管の過剰な運動を抑える効果などが期待できます。

お子さんについて、お腹のどこが痛いのか、食事や排便との関連がどうか、水分は取れているか、夜は眠れているかなど、よく観察してあげてください。もしこれらのことができなくなってきている場合、具合が悪いことが多いので、早めにご連絡ください。

病気一覧

  • ウイルス性胃腸炎、急性胃腸炎 
  • ノロ
  • ロタ
  • アデノ
  • 細菌性腸炎
  • 急性虫垂炎
  • 腸重積
  • 絞扼性イレウス
  • 腸間膜リンパ節炎
  • Crohn病、潰瘍性大腸炎
  • IgA血管炎

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