症状一覧
頭の形が気になる
どんな病気が考えられる?
赤ちゃんの好きな頭の向きがあると、どちらか片方の頭が下になるため、その部分が平らになり、逆の前の部分が突出する形となります。また、近年は乳幼児突然死症候群の予防のためにあおむけで寝かせることが推奨されているため、頭の形が変形する子が増えていると言われています。
運動障害がある場合や、股関節脱臼の治療をしている場合には、向き癖が強くなることが多く、結果的に頭の形の変形も強くなることがあります。重度の変形の場合は、将来の歯のかみ合わせの問題の原因となったり、頭痛の原因となったりすることがあります。また、2歳までの神経運動発達に悪影響を与えるのではないかという報告もあります。生まれてすぐからこまめに頭の向きを変えることや、生後3カ月から6か月の間にヘルメット治療を行うことで変形を矯正できると言われています。上記が向き癖による頭の変形ですが、それとは見分けることが必要な病気として頭蓋骨縫合早期癒合症というものがあります。この病気の場合、赤ちゃんの好きな頭の向きとは関係なく、癒合した骨縫合の部位によって頭の形が変わります。頭の形から疑われる場合には、脳神経外科へご紹介します。
検査をすることはある?
早期癒合が疑われる場合や、変形が重度の場合には、頭の画像検査を行うことがあります。その場合は検査可能な施設へご紹介します。軽度の場合には検査は必要ないです。
治療は?
赤ちゃんの好きな頭の向きによる変形の場合、近年はヘルメット治療が行われるようになってきました。治療は生後3か月ごろから6か月ごろまで始める方が効果が良好であるとされています。
ただし保険診療は未だ認められていませんのでお金がかかります。また、事前の検査や、ヘルメットの作成、合併症の管理などが必要なため、当院では実施していないので対応可能な施設をご紹介することとなります。
頭蓋骨早期癒合症に対しては脳神経外科的な治療が必要なため、疑った段階でご紹介いたします。
向き癖はどうやって治すの?
生まれてすぐから、いろいろな方向に頭をやさしく動かす、赤ちゃんが普段見ていない方向から呼びかけてみる、お気に入りのおもちゃを普段診ていない方向に置く、などの方法が効果的です。
また、日中赤ちゃんがしっかり起きているときに、お母さんお父さんのお腹の上で、腹ばいの形で抱っこをしてあげるタミータイムという方法があります。発達が促進されると言われており、おすすめの方法です。ただし、腹ばいのまま寝てしまうのは事故につながるので絶対に避けてください。
赤ちゃんの頭が動かないように左右にタオルなどを敷くことや、頭の下にドーナッツ状の枕を入れることは、顔が埋もれて息ができなくなってしまう可能性があるため、やめましょう。
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